血液培養でGPCがみえたら..

血液培養でGPCがみえたら..

 

血液培養の標本が多くなって来たので,まとめページです.

血液培養でGPCが見えたら..

  • 連鎖していますか? →GPC-chain
  • 集塊を形成していますか? →GPC-cluster
  • 酵母ですか?(!?) →Yeast
  • 勘違いしやすいもの ↓ Corynebacterium

Corynebacterium striatum1

GPC-chain

  • 多くはコンタミではありません.真の菌血症として対応しましょう
  • 腸球菌は短連鎖の傾向あり
  • 毒性の高い連鎖球菌は長い連鎖になる傾向があります.
  • 菌名が判明しているなら,そのページに飛びましょう.

Peptostreptococcus micros ・ Streptococcus pyogenes ・ Streptococcus agalactiae ・ Enterococcus feacium ・ Streptococcus dysagalactiae ・ Leuconostoc mesenteroides

GPC-cluster

  • 一定の確立でコンタミネーションの可能性があります.
  • 1セットのみ陽性の場合には菌名・臨床状況で判断しましょう.(S.aureusなら1セットでも有意とするのが無難ですし,血流感染を強く疑う:CVカテ感染など:では,1セットでも有意とします.)
  • 多くの場合,血培の再検が必要になります.
  • 菌名が判明すれば,そのページにどうぞ.

Staphylococcus lugdunensis ・ Staphylococcus aureus ・ Staphylococcus epidermidis ・ Aerococcus spp

Yeast

  • まずコンタミネーションはありえません.
  • ですが同時に,カテーテルや消化管粘膜障害,HIV,化学療法,ステロイドなどの免疫不全を想起します.
  • そしてAlbicansかどうかというところが抗真菌薬の選択ポイントなるので,検査室にそこを確認しましょう.(まだalbicansはページがないのですが..)
  • Candidaが確認できれば,眼内炎のスクリーニングは必須です.
  • ガイドラインもご参照ください.Candida症治療の実践的ガイドライン

Candida parapsilosis ・Candida glabrata ・ Candida guilliermondii ・ Candida lusitaniae ・ Saccharomyces cerevisiae ・ Cryptococcus neoformans

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何かあれば!

グラム染色の前書き

 風邪にクラビット、肺炎にセフトリアキソン、尿路感染にセフメタゾール...?本当にその抗菌 薬は必要だろうか?その処方は安心を買うためのものだろうか?耐性菌のリスクをどう評価するか? グラム染色は、そんな抗菌薬選択の答えを導くことができる。グラム染色(Gram Stain)をマスターし て、あなたの日常診療の強力に補助するツールを身につけよう。

グラム染色とは…?

 そもそも、グラム染色(Gram Stain)とは、細菌等を染色液によって染め、分類する方法である。名前の由来は1884年にデンマークの医師ハンス・グラムにこの染色法が発明されたことによる。日常診療やERで簡易に施行できるが、臨床での抗菌薬の決定や、治療効果の判定に大きな根拠となる。感 染症内科は言うまでもなく、日常臨床に携わるプライマリ・ケア医や総合診療医、家庭医にも重要な手技である。グラム染色(Gram Stain)は研修医のうちから習熟することが望まれる。

グラム染色のHPについて

 当HP「グラム染色(Gram Stain)」には、グラム染色(Gram Stain)の全てを詰め込んでいる。グラム染色(Gram Stain)の手順から染色像の判定、そして抗菌薬の決定から治療効果の判定までをできるだけ分かりやすく解説したつもりである。また、もしわからなければ、当方に直接相談できる窓口も設けた。どんどん相談してほしい。当ホームページ「グラム染色(Gram Stain)」を少し巡回された方はすぐに気づかれたとは思うが、マニアックなグラム染色像もふんだんに盛り込み、それぞれの菌についてはこころを込めてたくさんのポイントやトリビアを参考文献を付して提示した。患者さんが特殊な感染症にかかった時はもちろん、読み物としても楽しんで欲しい。

みなさまの日常診療の役に立て、少しでも患者さんのためになれば幸いです。

グラム染色(Gram Stain)管理人 代表 麻岡大裕(感染症内科)
平井孝幸(膠原病内科)、濱口政也(総合内科)、松島秀幸(膠原病内科)、植田大樹(放射線科)

大阪市立大学 細菌学教室 公認

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