染色の特徴
- ジアルジアと異なり,WBCとの区別は鞭毛を染色できない限り難しい.
- あるいは『変な細胞』として片付けられてしまう.
頻度
★☆☆
★☆☆
抗菌薬
抗菌薬の待てる人:
Tinidazole OR MNZ
エラー注意
- 検体の生検鏡が最もわかりやすい
ポイント
- 1836年にフランスの医師であるAlfred François Donnéにより発見,命名された原虫である.
- ウイルス性でないSTIとしては世界最多となるトリコモナス症の原因であり,人が唯一の自然宿主である.罹患率は非常に高く,アメリカのとある都市ではクリニック受診の約38%が感染していたとの報告もある.[1]
- 他のSTIと同じく,多くは複数のSTIを合併しており,近年の研究ではトリコモナスが膣に存在し,局所の炎症を起こしていることがHIV-1感染のリスクとなるのではないかと想定されている.[2]
- 現に,HIV陽性かつトリコモナス症の女性への治療により,膣粘膜内のHIV量は減ることが明らかとなっており,HIVの感染拡大に少なからぬインパクトを有している可能性がある.[3]
- 長らくマイナーなSTIであると想定されていたが,低出生体重と明らかな関連があったり[4],前期破水や早産との関連があることがあきらかとなった.[4]
- ただし,second-third trimesterでトリコモナス陽性の妊婦にMNZ治療を行ったRCTでは,治療群に却って早産が多くなる,と言った身も蓋もない結果になってしまっている.正直妊娠前にスクリーニングされておくべきであろう.[2]
参考文献
- [1] Lancet. 1998 jan 17:351[9097]:213-4
- [2] Mandell, Douglas, and Bennett’s Principles and Practice of infectious disease 9th edi
- [3] Sex Transm Dis. 2009 Jan; 36(1): 11–16.
- [4] Sex Transm Dis. 1997 Jul;24(6):353-60.
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