染色像
グラム陰性桿菌（Gram Negative Rod）
グラム陰性桿菌（Gram Negative Rod）
染色の特徴
- 小型のGNRとして染色される
- といっても緑膿菌までは小さくなく、大腸菌よりは小型である
頻度
★☆☆
★☆☆
抗菌薬
抗菌薬の待てる人：
CTRX
抗菌薬の待てない人：
CFPM OR AZT
エラー注意
- 時にカルバペネム耐性遺伝子を持つ
ポイント
- 意外に古くから認識されている菌種であり，最初の分離はカエルの軟部組織感染：Red Legであった．（1981年）分類及び命名は未だに流動的な面が多く，Bacillusが最初の属名で，プレジオモナス，ビブリオに分類されていた時期もある．
- ヒトへの感染が示唆され始めたのは1950年ごろであり，1968年にはすでにNEJMにAeromonas感染症のケースシリーズが投稿されている．（Alexander von Graevenitzら）[1] ここまで尿と同じ。
- 菌血症としてのPresentationは高齢者(この場合は目立った免疫不全がなくてもよい[2])の他には血液悪性腫瘍・重症な肝胆道系疾患などの免疫不全が生じている場合に多い。
- 壊死性軟部組織感染症の原因菌としても重要な立ち位置にあり、とくに淡水への暴露を有するような創部感染・軟部組織感染では警戒すべきである。
- 一般的な菌血症の症状の他に、腹痛・下痢などといった消化器症状を伴いうとされているが、本菌でなくとも生じうる症状のため、あまりその他の菌と区別するには至らないかもしれない。
- 抗菌薬感受性では、CphAという部位にエンコードされたメタロβラクタマーゼを一定の割合で保有する。[3] これはカルバペネムを分解することに高度に特化した酵素であり、その他のβラクタムの感受性を損なうことは通常ない。[4]
- だが、この特徴は重症軟部組織感染症へのエンピリック治療を行う際に問題となるため、淡水への暴露歴が推測される場合には抗菌薬投与はニューキノロン系の追加投与を考慮すべきである。[Sanford Abx guide]
- 培地上ではβ溶血性のコロニーを示し、血液培養ボトルでも同様に溶血が強く出現する。コロニーの正常を参考画像に載せておく。
参考画像
参考文献
- [1] N Engl J Med 1968; 278:245-249February 1, 1968
- [2] Aging Clin Exp Res. 2006 Aug;18(4):344-6.
- [3] J. Bacteriol. August 1991 vol. 173 no. 15 4611-4617
- [4] Antimicrob Agents Chemother. 1993 Jun; 37(6): 1324–1328.
何かあれば！
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