抗菌薬の投与量, 投与時間

種類薬剤名正常での投与量正常での間隔調節方法CCrと薬剤投与量, 間隔代謝経路
CCr: 100-50CCr: 50-10CCr: 10-0
ペニシリンPCG50-400万単位4-6時間投与量75%25-50%
ABPC1-2g6時間投与間隔6-12時間12-24時間
ABPC/SBT1.5-3g6時間投与間隔12時間24時間
PIPC3-4g4-6時間投与間隔, 量6-8時間50%8時間
PIPC/TAZ3.375-4.5g6-8時間投与間隔8時間50%8時間
AMPC250-500mg6-8時間投与間隔8-12時間24時間
AMPC/CVA375mg6-8時間投与間隔8-12時間12-24時間
セフェムCEX0.5-1g12時間投与間隔24時間48時間
CEZ1-2g8時間投与間隔12時間24-48時間
CTM1-2g6時間投与間隔12時間24時間
CMZ1-2g6-8時間投与間隔12-24時間24-48時間
CTRX1-2g12-24時間投与間隔12-24時間24時間腎+腸管
CAZ1-2g8時間投与間隔24-48時間48時間
CFPM1-2g8時間投与間隔12-24時間24時間 1gで
モノバクタムAZT1-2g8時間投与量50-75%25%
カルバペネムMEPM0.5-1g8時間投与間隔, 量50%12時間50%24時間
マクロライドEM250-500mg6時間投与量100%50-75%
CAM200-400mg12時間投与量75%50%肝+腎
AZM500mg24時間調節なし(100%)調節なし(100%)
テトラサイクリンMINO100mg12時間調節なし(100%)調節なし(100%)胆汁
リンコマイシンCLDM300-900mg6-8時間調節なし(100%)調節なし(100%)腎+腸管
STSTS: 800mg
T: 160mg
12時間投与量50%推奨しない
メトロニダゾールmetronidazole250-750mg6-8時間投与量100%50%
ニューキノロンLVFX500mg24時間投与間隔, 量250mg 1回/日250mg 1回/2日
CPFX200-400mg12時間投与間隔12-24時間24時間腎+肝

CCr計算

グラム染色の前書き

 風邪にクラビット、肺炎にセフトリアキソン、尿路感染にセフメタゾール...?本当にその抗菌 薬は必要だろうか?その処方は安心を買うためのものだろうか?耐性菌のリスクをどう評価するか? グラム染色は、そんな抗菌薬選択の答えを導くことができる。グラム染色(Gram Stain)をマスターし て、あなたの日常診療の強力に補助するツールを身につけよう。

グラム染色とは…?

 そもそも、グラム染色(Gram Stain)とは、細菌等を染色液によって染め、分類する方法である。名前の由来は1884年にデンマークの医師ハンス・グラムにこの染色法が発明されたことによる。日常診療やERで簡易に施行できるが、臨床での抗菌薬の決定や、治療効果の判定に大きな根拠となる。感 染症内科は言うまでもなく、日常臨床に携わるプライマリ・ケア医や総合診療医、家庭医にも重要な手技である。グラム染色(Gram Stain)は研修医のうちから習熟することが望まれる。

グラム染色のHPについて

 当HP「グラム染色(Gram Stain)」には、グラム染色(Gram Stain)の全てを詰め込んでいる。グラム染色(Gram Stain)の手順から染色像の判定、そして抗菌薬の決定から治療効果の判定までをできるだけ分かりやすく解説したつもりである。また、もしわからなければ、当方に直接相談できる窓口も設けた。どんどん相談してほしい。当ホームページ「グラム染色(Gram Stain)」を少し巡回された方はすぐに気づかれたとは思うが、マニアックなグラム染色像もふんだんに盛り込み、それぞれの菌についてはこころを込めてたくさんのポイントやトリビアを参考文献を付して提示した。患者さんが特殊な感染症にかかった時はもちろん、読み物としても楽しんで欲しい。

みなさまの日常診療の役に立て、少しでも患者さんのためになれば幸いです。

グラム染色(Gram Stain)管理人 代表 麻岡大裕(感染症内科)
平井孝幸(膠原病内科)、濱口政也(総合内科)、松島秀幸(膠原病内科)、植田大樹(放射線科)

大阪市立大学 細菌学教室 公認

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