Pseudo gout 〔偽痛風〕

Pseudo gout 〔偽痛風〕
関節液
染色の特徴
  • 透明に抜ける長方形型の結晶
  • 結晶成分は貪食されたり、されなかったりする。
頻度
★★★
抗菌薬
抗菌薬の待てる人: 鎮痛剤
抗菌薬の待てない人: 排液ドレナージ+消炎鎮痛剤関節注射
ポイント
  • calcium pyrophosphate dehydrate deposition disease:CPPDが正式名称であり,本態としてはこの結晶の異所性沈着が炎症を起こす.ので,炎症の中心は『関節』でなく『滑膜』である.
  • 大関節がほとんどであるものの,環軸椎関節や椎体関節,腱付着部へも沈着し,炎症を起こす.
  • 関節裂隙の石灰沈着が診断に用いられ,国家試験でも頻出であるが,高齢であれば無症候性に沈着を起こしていることがあり,65~74 歳:15 %,75~84 歳 : 36 %,>84 歳 :50 %となっている.関節Xpだけを根拠に診断してはいけない.[1]
  • 最大の鑑別診断は化膿性関節炎であり,Referenceは様々ながら 細胞数2万5千以上でLR+ 2.9,5万以上でLR+ 7.7,10万以上でLR+ 28.0となる.[2]
  • 偏光顕微鏡による結晶の証明は感度がかなりバラついている.[2]
参考文献
  1. [1]  Up to date [Pseudogaut]
  2. [2]  感度と特異度からひもとく感染症診療のDecision making 細川直登 編集 文光堂
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何かあれば!

グラム染色の前書き

 風邪にクラビット、肺炎にセフトリアキソン、尿路感染にセフメタゾール...?本当にその抗菌 薬は必要だろうか?その処方は安心を買うためのものだろうか?耐性菌のリスクをどう評価するか? グラム染色は、そんな抗菌薬選択の答えを導くことができる。グラム染色(Gram Stain)をマスターし て、あなたの日常診療の強力に補助するツールを身につけよう。

グラム染色とは…?

 そもそも、グラム染色(Gram Stain)とは、細菌等を染色液によって染め、分類する方法である。名前の由来は1884年にデンマークの医師ハンス・グラムにこの染色法が発明されたことによる。日常診療やERで簡易に施行できるが、臨床での抗菌薬の決定や、治療効果の判定に大きな根拠となる。感 染症内科は言うまでもなく、日常臨床に携わるプライマリ・ケア医や総合診療医、家庭医にも重要な手技である。グラム染色(Gram Stain)は研修医のうちから習熟することが望まれる。

グラム染色のHPについて

 当HP「グラム染色(Gram Stain)」には、グラム染色(Gram Stain)の全てを詰め込んでいる。グラム染色(Gram Stain)の手順から染色像の判定、そして抗菌薬の決定から治療効果の判定までをできるだけ分かりやすく解説したつもりである。また、もしわからなければ、当方に直接相談できる窓口も設けた。どんどん相談してほしい。当ホームページ「グラム染色(Gram Stain)」を少し巡回された方はすぐに気づかれたとは思うが、マニアックなグラム染色像もふんだんに盛り込み、それぞれの菌についてはこころを込めてたくさんのポイントやトリビアを参考文献を付して提示した。患者さんが特殊な感染症にかかった時はもちろん、読み物としても楽しんで欲しい。

みなさまの日常診療の役に立て、少しでも患者さんのためになれば幸いです。

グラム染色(Gram Stain)管理人 代表 麻岡大裕(感染症内科)
平井孝幸(膠原病内科)、濱口政也(総合内科)、松島秀幸(膠原病内科)、植田大樹(放射線科)

大阪市立大学 細菌学教室 公認

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