染色像
グラム陰性桿菌(Gram Negative Rod)
グラム陰性桿菌(Gram Negative Rod)
染色の特徴
- 細長いGram陰性桿菌
- 染色性も悪く,紡錘形で,薄い
- 条件によっては多型性を示す場合もある
頻度
★☆☆
★☆☆
抗菌薬
抗菌薬の待てる人:
ABPC/SBT
抗菌薬の待てない人:
MEPM
ポイント
- Capnocytophaga canimorsusはFlavobacteria属に属する嫌気性菌である.ご多分に漏れず発育には時間がかかり,血液培養といえど陽性化には時間がかかる.C. ochracea, C. gingivalis, C. sputigena, C. leadbetteri, C. haemolytica, C. granulosa, C. canimorsus, C. cynodegmiの8つの種があり,C. canimorsus, C. cynodegmiはヒトへの病原性を持つことが確認されている.[1]
- C. canimorsusはCapnocytophaga感染症のほとんどを占める種であり,イヌやネコの口腔内常在菌である.地域にもよるが,イヌの67~86%,ネコの55~84%に常在しているという.[1]
- レビューによれば,患者は60%がSepsisの状態であり,髄膜炎の合併も見られていた.症状の出現率としては熱が最も多く85%,下痢・腹痛が21%と続き,嘔吐18%,頭痛18%,意識障害が12%となる.すなわち,特異的な症状に極端に乏しいのである.[2]
- 本菌は免疫正常者でも発症がありうるが,すでに知られたリスクとして①脾摘後 or 無脾症 or 機能的無脾症,②肝硬変・アルコール依存,③骨髄腫などの液性免疫不全がありうる.そこに④ステロイド・リツキサンなどの免疫抑制剤も検討に値する.Capnocytophaga感染症に遭遇した場合はこのような背景疾患に関して充分に検討すべきである.〔背景疾患がある確率は3倍である.が,死亡率はさほどかわらないらしい.〕[3]
- イヌとの接触は78%で確認され,接触から発症までには平均3日間が必要であった.〔1~10日と幅はあるが.〕[2]
- 初期治療はβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン,セフェム,カルバペネムといったβラクタムで行われるべきである.βラクタマーゼ産生株の割合は定かで無いが,AZMには自然耐性であり,ST・AGへの感受性は様々であることがわかっている.キノロンも耐性株の報告はある.[1,2]
参考文献
- [1] Up to date Capnocytophaga canimorsus infection
- [2] Emerg Infect Dis. 2006 Feb; 12(2): 340–342.
- [3] Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 9th
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