染色像
グラム陰性球菌(Gram Negative Coccus)
グラム陰性球菌(Gram Negative Coccus)
染色の特徴
- グラム陰性 原虫:GNProtozoa
- 2核であり,鞭毛も確認できる.
- 白血球とほぼ同じ極めて大型
頻度
★☆☆
★☆☆
抗菌薬
抗菌薬の待てる人:
治療薬:Tinidazole 2g 1回,MNZ 250mg 1日3回 5~7日
抗菌薬の待てない人:
上記以外あまりない
エラー注意
- 渡航歴がなくても発生する.
ポイント
- フランスの動物学者であるアルフレッド・マチュー・ジアール〔Alfred Mathieu Giard〕の名を取って名付けられた世界各地に分布する腸管寄生虫である.
- 遺伝子型によりA-Hまでの集団(Assemblage)に分けられており,AおよびBがヒトへの感染を起こす.[1]
- 糞口感染し,主に汚染された水を摂取することにより感染が広がる.低収入国では10歳までの間にすべての小児が本原虫による感染症を発症するとも言われている.[1] Cystの形態では,とくに低温の水において高い生存性を持っており,これが天然の湖や川が感染源となりうる原因となっている.
- 日本で認められるとするならば,そのほとんどは旅行者下痢症,特に3週間程度続く持続性の下痢症で重要となる.病原体は十二指腸以遠の近位の小腸に比較的集中して存在し,大腸から排出されるまでに分解され,このような形態を確認することは難しいかもしれない.また,この部位の持続感染は容易に吸収不良を呈し,体重減少や,小児では成長障害が生じることもある.[2]
- 臨床症状として必ずしも下痢が目立つ訳ではなく,鼓腸・硫黄臭のするゲップ・倦怠感などが主な症状であることもある.
- 上記のチニダゾール,メトロニダゾールの耐性株は実は少なくない.初期治療に失敗した場合のオプションはノルウェーでアウトブレイクした際に考慮されており,メトロニダゾールで2クール治療→アルベンダゾール+メトロニダゾール→パロモマイシン→quinacrine+メトロニダゾールという治療ラダーが提案されている.[3]
- が,治療がうまく行っているにも関わらず,急性感染後の2糖類不耐症や旅行者下痢後過敏性腸症候群の併発により,遷延しているような様相を呈することもある.要注意.[2]
参考文献
- [1] Mandell, Douglas, and Bennett’s Principles and Practice of infectious disease 9th edi
- [2] キーストンのトラベルメディスン 3rd edi
- [3] J Infect. 2008 Apr;56(4):268-73. doi: 10.1016/j.jinf.2008.01.013. Epub 2008 Mar 7.
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