Curschmann’s spiral〔クルシュマン螺旋体〕

Curschmann’s spiral〔クルシュマン螺旋体〕
染色像
グラム陽性桿菌(Gram Positive Rod)
細菌に比して非常に長大となることが多い
染色の特徴
  • グラム陽性に染色されることが多い
頻度
★☆☆
抗菌薬
抗菌薬の待てる人: 不要
抗菌薬の待てない人: 不要
エラー注意
  • 菌体ではない
ポイント
  • 喀痰の細胞診などで観察されることの多い構造物で,気管支喘息や慢性気管支炎での観察が多いとされている.[1]
  • ムチンを主成分とした粘液が気管支内に充填され,濃縮された結果として生じると推定されており,グラム染色ではグラム陽性に染まりやすい一方,病理所見ではヘマトキシリン好性の染色所見となる.
  • 非常に稀ではあるが子宮頚部の擦過細胞診にも同様の物質を見ることはある.ただ,臨床的な意義に関してはよくわかっていない.[2]
  • この写真は相談所から送信されたものになります.匿名の方のご厚意で当サイト/アプリへの掲載を許可いただきました.ご協力ありがとうございます.
参考文献
  1. [1]  Pulmonary Cytopathology (Essentials in Cytopathology) New York: Springer; 2009. pp. 23–7.
  2. [2]  Ann Intern Med. 1974 May;80(5):674-5.
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何かあれば!

グラム染色の前書き

 風邪にクラビット、肺炎にセフトリアキソン、尿路感染にセフメタゾール...?本当にその抗菌 薬は必要だろうか?その処方は安心を買うためのものだろうか?耐性菌のリスクをどう評価するか? グラム染色は、そんな抗菌薬選択の答えを導くことができる。グラム染色(Gram Stain)をマスターし て、あなたの日常診療の強力に補助するツールを身につけよう。

グラム染色とは…?

 そもそも、グラム染色(Gram Stain)とは、細菌等を染色液によって染め、分類する方法である。名前の由来は1884年にデンマークの医師ハンス・グラムにこの染色法が発明されたことによる。日常診療やERで簡易に施行できるが、臨床での抗菌薬の決定や、治療効果の判定に大きな根拠となる。感 染症内科は言うまでもなく、日常臨床に携わるプライマリ・ケア医や総合診療医、家庭医にも重要な手技である。グラム染色(Gram Stain)は研修医のうちから習熟することが望まれる。

グラム染色のHPについて

 当HP「グラム染色(Gram Stain)」には、グラム染色(Gram Stain)の全てを詰め込んでいる。グラム染色(Gram Stain)の手順から染色像の判定、そして抗菌薬の決定から治療効果の判定までをできるだけ分かりやすく解説したつもりである。また、もしわからなければ、当方に直接相談できる窓口も設けた。どんどん相談してほしい。当ホームページ「グラム染色(Gram Stain)」を少し巡回された方はすぐに気づかれたとは思うが、マニアックなグラム染色像もふんだんに盛り込み、それぞれの菌についてはこころを込めてたくさんのポイントやトリビアを参考文献を付して提示した。患者さんが特殊な感染症にかかった時はもちろん、読み物としても楽しんで欲しい。

みなさまの日常診療の役に立て、少しでも患者さんのためになれば幸いです。

グラム染色(Gram Stain)管理人 代表 麻岡大裕(感染症内科)
平井孝幸(膠原病内科)、濱口政也(総合内科)、松島秀幸(膠原病内科)、植田大樹(放射線科)

大阪市立大学 細菌学教室 公認

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