血液培養でGNRがみえたら・・・

血液培養でGNRがみえたら・・・

血液培養まとめシリーズ その2

血液培養でGNRが見えたら..

  • コンタミネーションは基本的にありません.
  • 腸内細菌様ですか? → GNR-middle or large
  • ブドウ糖非発酵菌様ですか? → GNR-small or sharp

GNR-middle or Large

  • いわゆる『安全ピン』様の染色形態をしめす群.

  • 多くは腸内細菌で,常在菌叢の一部.が,『腸内細菌』と名前がつきながらも腸内に常在しないものもいる.
  • その場合には血流感染の元になりうる人工物(ERBD-tube・D-J catheterなど)があるか,カテーテルなど血管内デバイス感染はないか,確認.
  • 薬剤感受性は菌種により様々で,さらに地理的にも大きな違いがある.Local factoerを十分考慮する.
  • 菌名があれば各論ページをどうぞ

Klebsiella pneumoniaProteus mirabilis ・ Salmonella enterica ・ Citrobacter freundii ・ Morganella morganii ・ Raoultella ornithinolytica ・ Klebsiella oxytoca ・ Enterobacter cloacae

GNR-small or sharpe

  • 染色性が悪く,細いため,視認から逃れることもある.

  • 多くがブドウ糖非発酵菌に属する多剤耐性傾向の強い菌.
  • ほぼ確実に人工物や医療環境への曝露あり.
  • 嫌気性菌も多くは検鏡像ではこちらに属する.ときにH. influenzaeなどの典型的には菌血症を呈さないものが含まれます.
  • 菌名からジャンプできます.

Pseudomonas aeruginosa ・ Stenotrophomonas maltophilia ・ Capnocytophaga canimorsus ・ Bacteroides uniformis ・ Hemophilus influenzae

 

 

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何かあれば!

グラム染色の前書き

 風邪にクラビット、肺炎にセフトリアキソン、尿路感染にセフメタゾール...?本当にその抗菌 薬は必要だろうか?その処方は安心を買うためのものだろうか?耐性菌のリスクをどう評価するか? グラム染色は、そんな抗菌薬選択の答えを導くことができる。グラム染色(Gram Stain)をマスターし て、あなたの日常診療の強力に補助するツールを身につけよう。

グラム染色とは…?

 そもそも、グラム染色(Gram Stain)とは、細菌等を染色液によって染め、分類する方法である。名前の由来は1884年にデンマークの医師ハンス・グラムにこの染色法が発明されたことによる。日常診療やERで簡易に施行できるが、臨床での抗菌薬の決定や、治療効果の判定に大きな根拠となる。感 染症内科は言うまでもなく、日常臨床に携わるプライマリ・ケア医や総合診療医、家庭医にも重要な手技である。グラム染色(Gram Stain)は研修医のうちから習熟することが望まれる。

グラム染色のHPについて

 当HP「グラム染色(Gram Stain)」には、グラム染色(Gram Stain)の全てを詰め込んでいる。グラム染色(Gram Stain)の手順から染色像の判定、そして抗菌薬の決定から治療効果の判定までをできるだけ分かりやすく解説したつもりである。また、もしわからなければ、当方に直接相談できる窓口も設けた。どんどん相談してほしい。当ホームページ「グラム染色(Gram Stain)」を少し巡回された方はすぐに気づかれたとは思うが、マニアックなグラム染色像もふんだんに盛り込み、それぞれの菌についてはこころを込めてたくさんのポイントやトリビアを参考文献を付して提示した。患者さんが特殊な感染症にかかった時はもちろん、読み物としても楽しんで欲しい。

みなさまの日常診療の役に立て、少しでも患者さんのためになれば幸いです。

グラム染色(Gram Stain)管理人 代表 麻岡大裕(感染症内科)
平井孝幸(膠原病内科)、濱口政也(総合内科)、松島秀幸(膠原病内科)、植田大樹(放射線科)

大阪市立大学 細菌学教室 公認

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